フダンヅカイ
浦上満さんプロフィール
もくじ
はじめに 農家とプロデューサー
第一回 日本橋は古美術商のメッカ
第二回 ニセモノは売る人も悪いが、買う人もある程度悪い
第三回 自分が持つよりふさわしい人に売る
第四回 みんな、自分の好きなモノにお金を使えていない
第五回 古美術品は「買う才能」がある
第六回 100人来たら2、3人は興味を持ってくれる
第七回 数字とは少し離れた世界
第八回 北斎漫画にまつわるあれこれ(日本編)
第九回 北斎漫画にまつわるあれこれ(海外編)
第十回 儲ける以上に大切なこと

はじめに

「北斎漫画のコレクターとおはなしをしてみませんか?」

そんなお声がけをいただいたのは秋口のこと。
その時は北斎漫画というものの存在すら知らず
「いったいどんな漫画なんだろう?」と調べてみたところ、
葛飾北斎が描いた絵をまとめた本であったことが分かりました。

そして、その絵がどれもこれも見事で、
葛飾北斎というと「冨嶽三十六景」くらいしか
知らなかった自分にとっては衝撃的な出会いでした。
そんな歴史的な本のコレクターの方と
おはなしができるということで、迷わず
「ぜひお願いします」ということになり、
今回のコンテンツが実現することになります。

浦上満(うらがみみつる)さん。
普段は日本橋で「浦上蒼穹堂」という
中国の昔の鑑賞陶器を中心に扱う古美術商を営まれています。
同時に、世界一と称される北斎漫画のコレクターでもあります。

浦上さんが集めた北斎漫画は日本だけでなく、
海外のオークションでも買い求めたものを含め実に1500冊。
この収録が行われた少し前に
北斎漫画を見ることができるiPhoneアプリ
漫画翁北斎(まんがおうほくさい)」をリリースされていたので、
今回は北斎尽くしのおはなしになるのかな…
と思っていたのですが、
気づけば古美術商としてのお仕事にはじまり、
ハッピーエンドに終わった取引や
商売人としての心構えなどなど、
いつも通り、話があちこちに飛んでいきます。

古美術商、そして北斎ということで
ちょっとハードルが高いように見えるのですが、
浦上さんは難しい専門用語を使うこと無く、
どれも簡単な言葉で話されていたのが印象的でした。
そして、わかりやすい言葉で伝えるということが、
今回の連載の中で大事なポイントの1つになってきます。

浦上蒼穹堂の古美術品に囲まれながら
2000年前から現在、そして未来までいったりきたり。
不思議なおはなしが幕を開けます。

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